羽音に酔う

 

 

「のりさん、寝るとき扇風機ぐらい使った方がいいですよ。」

 

「扇風機は引越前に捨てた。」

 

「何故ですか?」

 

「答えは風だけが知っている。」

 

海の帰りにこんな話になった。

 

 

 

寝苦しい夜が続いたので、後輩のアドバイスに従い

扇風機を海帰りに買った。

 

捨てたのにまた買うはめになった。

 

世界はECOに飢えている。

 

であるからして、世界がECOに飽きるまで小心な

私もエコるのである。

 

アンティークの扇風機をいくつか持っているが、

無駄に大きな音とやけに熱くなるモーターに不安

を感じる。

 

「扇風機の不始末で火事にしちゃったよ。」なんて

言われたくない。

 

よって機能性重視となる。

 

聞こえを良くするため、質実剛健、ベーシック・・・

変わらない美しさを

求めた結果electric fanになったと自分に言い訳する。

 

そのelectric fan功を奏して、私を楽園の王様気分に

してくれた。

 

 

眠りの狭間を彷徨う瞬間・・・

 

羽音が耳元で「愛してるわ」といつも囁くのだ。